江戸時代、亀戸には呉服商・伊勢屋彦右衛門の別荘「清香庵」があり、その庭には見事な梅の木々が生えていました。立春の頃になると江戸中から人々が北十間川や堅川を船でやってきて、この地はたいそう賑わったといいます。
特に庭園のなかを数十丈(150m)にわたり枝が地中に入ったり出たりする一本の梅が名高く、評判を聞きつけこの地を訪れた水戸光圀は、まるで竜が臥しているようであると感嘆し、その木に「臥竜梅」の名を与えました。また、八代将軍・徳川吉宗は、一旦土に入った枝が、再び地上に這い出る様を生命の循環になぞらえ、「世継ぎの梅」と命名し賞賛したそうです。
「亀戸梅屋敷」の名で人気を博したこの梅の名所は、多くの浮世絵で題材となっていますが、なかでも浮世絵師・歌川広重が安政三年(1857年)に描いた『名所江戸百景』の「亀戸梅屋敷」は、江戸の時代に海を越え、かのフィンセント・ファン・ゴッホが模写(作品名「日本趣味:梅の花」/1887年)するなど、日本のみならず世界から評価された傑作と言えるでしょう。
粋な江戸ッ子たちを魅了し、その名を世界に知らしめた「亀戸梅屋敷」。当時の賑わいの場として、そして、江戸/下町/亀戸の粋な歴史と文化を世界へ発信する拠点として、当館を「亀戸梅屋敷」と名付けました。
施設名称 | 亀戸梅屋敷 |
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住所 | 〒136-0071 東京都江東区亀戸4-18-8 |
電話番号 | 03-6802-9550 |
メール | info@kameume.com |
営業時間 | 10:00〜18:00 9:30〜17:30(冬季) |
定休日 | 月曜日(祝日の場合は翌日) |